十二貫野用水は、黒部峡谷の宇奈月温泉の上流にある尾ノ沼谷から取水し、標高250mほどの十二貫野台地を潤している長さ約24kmの農業用水で、疎水百選にも選ばれています。
十二貫野用水については、十二貫野用水のWebページで紹介しています。
黒部川合口用水は、愛本堰堤で取水し、右岸の黒東用水と、左岸の黒西用水に分けて流れています。
黒東用水の旧下山発電所は、国の登録文化財にも指定されていて、入善町下山芸術の森アートスペースとして活用されています。
片貝川など、新川地方の扇状地の川は、傾斜が急で水はけが良いため、伏流水となり石だらけの川になっています。そのため、片貝川合口用水は、扇頂にある黒谷頭首工で取水しています。
黒谷頭首工で取水した用水は、貝田新円筒分水槽で、右岸と左岸に分水しています。
片貝川の左岸にある貝田新円筒分水槽から、サイフォンの原理を使って片貝川の下を通り、右岸にある東山円筒分水槽で、東山用水、青柳用水、天神野用水に分水しています。 分水の落差が大きく、日本一美しい円筒分水槽と言われています。
上市川沿岸用水は、釈泉寺頭首工で取水しています。
上市川沿岸用水は、釈泉寺円筒分水場で分水しています。
常願寺川沿岸用水には、左岸の常西用水と、右岸の常東用水があります。
水土里ネット富山のWebページから、「常願寺川沿岸用水」のパンフレットをダウンロードできます。
常願寺川沿岸用水は、横江頭首工から取水しています。
横江頭首工から取水した水は、両岸分水工で、常西用水と常東用水に分けられます。 常西用水と常東用水の取水口は、交互に配置されています。 常西用水は、常願寺川左岸連絡水路橋を使って、左岸に水を流しています。
常西用水は、水路橋で常願寺川を渡った後、トンネルで流れています。 富山地方鉄道の大山寺駅のホーム下に、常西用水第三隧道の出口があります。 常西用水第三隧道は、近代土木遺産に指定されています。
常西用水プロムナードは、常西用水沿いに整備されている散歩道です。 常願寺川の治水の歴史は古く、常西用水は、疎水百選に選ばれています。
佐々成政公が整備した霞堤の跡は、斜めになった常西用水の底面として見ることができます。他にも、旧太田用水の太田閘門や、殿様林などの史跡も残っています。
常西用水の最下流にある富山市新庄には、用水に流れ込んだ土砂を排砂するために、赤煉瓦で造られた新庄の赤門とも呼ばれる新庄排砂水門があります。
舟倉用水は、大沢野の舟倉台地に水を引くため、江戸時代に造られた用水で、疎水百選にも選ばれています。
神通川の支流の長棟川の薄波取水口から、13kmの距離を急な崖を切り開いて造られました。
水土里ネット富山のWebページから、「舟倉用水」のパンフレットをダウンロードできます。
旧舟倉用水の薄波取水口は、北陸電力長棟川第一発電所の敷地内で、立入禁止となっているようです。 舟倉用水を見学するのであれば、三ツ分水の近くに、無料の駐車場がありますので、三ツ分水から岩屋を往復(2時間程度)するか、三ツ分水から三助隧道まで歩き、御前山、猿倉山を周回するルート(4時間程度)がお勧めです。
級長戸辺神社の鳥居の脇にある三ツ分水で、舟倉用水は、西江分水、中江分水、東江分水の3つの分水に分かれ、耕作地に向かって流れています。
級長戸辺神社の上流に駐車場があり、そこから舟倉用水の散策ができます。 舟倉用水は、保守を容易にするため、直坂から岩屋までの約1kmは猿倉隧道が造られました。 そのため、旧舟倉用水は保存され、旧舟倉用水に沿って遊歩道が整備されています。 舟倉用水は急な崖の上に造られているので、開けた場所があると見晴らしは良いです。 旧舟倉用水の遊歩道から、神通川の笹津橋などが一望できます。
旧舟倉用水の鼻蔓谷付近には、板状節理の岩や、大きな一枚岩などがあります。
手掘りの旧舟倉用水の傳次郎隧道や、江戸時代に、岩を砕いて用水を造った様子が、そのまま残っています。 遊歩道には手すりが整備されていますが、手すりが設置できない場所には、鎖が設置されています。
旧舟倉用水の岩屋付近には、大きな岩と手掘りのトンネルなどが、残っています。 岩屋を過ぎると、猿倉隧道入口で、現在の舟倉用水と合流します。 現在の舟倉用水は暗渠になっていて、コンクリートの暗渠の上を歩くことができます。
庄川沿岸用水は、屋敷林に囲まれた家々が点在する散居村のある砺波平野を潤しています。
中でも、鷹栖口用水などの砺波平野疏水群は、疎水百選にも選ばれました。
水土里ネット富山のWebページから、「砺波平野疏水群 庄川沿岸用水」のパンフレットをダウンロードできます。
庄川沿岸用水は、庄川用水合口堰堤で取水されています。 庄川用水合口堰堤は、穀倉地帯の近代化を支えた施設として、国の有形登録文化財に指定されています。 庄川用水合口堰堤には、上流用水の慣行水利優先権という特権が認められています。具体的には、左岸上流の二万七千石用水の取水口は、左岸幹線(鷹巣口、若林口、新又口、舟戸口、千保柳瀬口用水)の取水口よりも24cm低く作られています。同様に、右岸上流の芹谷の用水の取水口は、右岸幹線(針山口、中田口用水)の取水口よりも24cm低く作られています。
二万七千石用水の取入口跡は、庄川用水合口堰堤の上流側にあります。 取水口は築堤となってしまいましたが、七門あった水門の形の木枠から、当時の雰囲気が残されています。 二万七千石用水跡に斜めに架かる橋は、小牧ダムまで敷設されていた鉄道の鉄橋の跡です。
右岸幹線には、関西電力雄神発電所があり発電を行っています。 水を一時的に貯めておく巨大なコンクリートのサージタンクが特徴的です。
左岸幹線は、地下のトンネルを通り、関西電力中野発電所で発電を行っています。 水を一時的に貯めておく巨大なコンクリートのサージタンクが特徴的です。 中野発電所のサージタンクは、国の登録有形文化財や、近代土木遺産に指定されています。
中野発電所の放水路分水場には、三用水連絡水路(鷹栖口用水、若林用水、新又口用水、舟戸口用水)と千保柳瀬口用水の分水があります。
千保柳瀬口用水は、千保口用水と柳瀬口用水に分水されます。
砺波平野疏水群の三用水連絡水路は、三用水分水場で、鷹栖口連絡水路と上若林口連絡水路と庄西幹線水路に分水されます。
庄西幹線水路は、神明分水場で、若林新又幹線水路と舟戸口用水に分水されます。
新又口用水の五連揚水水車は、砺波のチューリップ公園内を流れる新又口用水に設置された水車です。 水車の最大直径は5.4mもあり、五連揚水水車としては日本一の規模だそうです。
古上野のどんどは、砺波平野の中央部を流れる鷹栖口用水が分水している場所です。 疎水百選の標柱も建てられています。
鷹栖口用水沿いには、桜並木があります。
赤祖父円筒分水槽は、赤祖父溜池の水を公平に分配するために設置された円筒分水で、国の有形登録文化財にも指定されています。
氷見市土地改良区鞍川工区にも円筒分水があります。 この円筒分水は苔むしていて、使用頻度は高くないようです。 田んぼに水が必要な時だけ、上庄川から水をポンプで汲み上げて、水を流しているようです。