雉(鶏)取水口は、辰巳用水が完成した時の取水口で、辰巳用水のパンフレットには、犀川の対岸から撮影した写真が掲載されています。
そこで、雉(鶏)取水口跡の対岸にあたる、金沢市水淵町の水渕・相合谷トンネル入口に行ってみると「板屋兵四郎の道」という案内板があります。案内板に沿って歩いていくと、懐かしい童謡唱歌の看板が多数立ち並んでいます。その中に「鶏辰巳用水取水口眺望台300m先」が立っています。看板の後には「雉辰巳用水取水口眺望台」の古い看板があり、2023年に新しく立て直したようです。
立派な看板があるので、行こうとしたのですが、矢印の先は藪しかなく、とても人が歩けるような道ではありません。そこで、家に帰って、登山靴、長袖のシャツ、長ズボン、ストック、ナタやノコギリなど、藪こぎの装備を持って、探検に行くことにしました。
少し上の方に登って見渡すと、遊歩道は、棚田の跡地に造られたようです。棚田の跡地なので、滑落などの心配はありませんが、雨上がりだったこともあり、地面がぬかるみと水たまりで、ひどい状態でした。身長よりも高い藪なので、どっちへ行ったらよいのか全く分かりませんでしたが、棚田の最上段を杉林を目指して進むのが良いようです。100mほど藪漕ぎをして、杉林に入れれば、なんとかなります。
私は道が合っているのかどうかも分からない状態でしたので、上の林道まで登って、別のアプローチ方法も探したりしていたので、時間がかかってしまいました。でも、逆方向に歩いて確認しましたので、間違いないです。
杉林の中を50mほど行くと、対岸の集落が見える開けた場所に出ます。ここは、林道にあった階段から、竹林の中を降りてくる道との分岐点になります。 竹林の中の方が藪漕ぎよりも歩きやすいですが、距離が長いのと、入口の階段以外に目印がないため、どっちも分かりずらいと思います。
分岐点から、下に向かって柵のついた道がありますので、降りていきます。 100mほど歩けば「クルミの森」の看板があり、目的の眺望台だと思われますが、何も見えません。
沢の方に降りる朽ちた階段がありましたので、降りてみました。 藪の中を進んで行くと、沢に出ることができます。
林道から、竹林の中を分岐点まで行き、「雉(鶏)取水口眺望台」に行くこともできます。 「板屋兵四郎の道」は「水渕・相合谷トンネル入口」から、この林道までの区間の道を指しているようです。 林道側の入口にも案内標識はあるようですが、私が訪れた時は、草の中に埋もれた状態でした。 林道からは、水渕城展望台を周回する遊歩道もあるようです。
沢に降りると、対岸に、パンフレットと同じ「雉(鶏)取水口」が見えます。
草が生えていて、穴が良く見えませんが、滝の脇に穴らしきものが確認できます。
上流側を見ると、新辰巳発電所が見えます。
下流側を見ると、三枚水門があったと思われる場所も見えます。
雉(鶏)取水口は、犀川の川面よりも高い位置にあり、犀川の水位の低下により、上流の古川口取入口に変更されたこともわかります。
ちょうど、雉(鶏)取水口の前付近が急流になっていましたので、取水用の堰が壊れてしまったのかもしれません。
ちなみに、雉(鶏)取水口の対岸の上流には、奇麗な柱状節理の崖になっていますので、上流側からのアクセスは難しいと思います。