寺津用水は、江戸時代の1664年(寛文4年)に、犀川上流の寺津から取水し、末町・舘町・土清水町付近の台地を潤すために造られた、約10kmの用水です。 江戸時代に辰巳用水よりも長いトンネルが掘られたのは、辰巳用水が使えない場合の予備の用水としての用途があったと言われています。 寺津用水は、現在でも、金沢市の水道水や水力発電に使われています。
寺津用水の取水口は、金沢市寺津町の上寺津ダムにあります。 上寺津ダムと取水口は、崖の上の県道から見ることができます。
辰巳ダムが見える上辰巳町には、寺津用水のトンネルの点検用入口があります。 中には水門があり、寺津用水の音が聞こえます。
トンネルの点検用入口付近から、上辰巳発電所への導水管があり、寺津用水の水が発電に利用されています。
上辰巳町には、末浄水場の取水設備として、取水流量計と取水井があります。 上辰巳町の取水井から末浄水場までは、導水管が引かれていて、末浄水場で水力発電を行った後、水道水として使われています。
上辰巳町付近の寺津用水は、暗渠化されていて、水門によって、耕作地に流れています。
末浄水場の手前には、寺津用水の水路橋があります。 県道の上を、寺津用水が流れています。
末町あたりから永安寺までの区間は、山裾を流れていて、寺津用水沿いに遊歩道が整備されています。
遊歩道の途中には、石造りのトンネルが残っています。 竹林の中を通ったり、金沢市内を見渡せる高台を通ったりしています。 永安寺前で、遊歩道は終わりです。
土清水町の住宅街の中は、いくつもの分水に分かれて流れています。 住宅街の中にある調整池を通った後、滝のように浅野川に流れ落ちています。