JR七尾線は、津幡駅と和倉温泉駅を結ぶJR西日本の路線で、1991年(平成3年)に電化されました。津幡駅で接続されていた北陸本線(現IRいしかわ鉄道)は交流電化されていたのですが、交流電化すると既存のトンネルや跨線橋と架線との絶縁距離が足りないため、直流電化されました。そのため、津幡駅と中津幡駅の間に、デッドセクションができました。デッドセクションとは、架線に給電されていない区間のことで、七尾線ではこの区間内で交流と直流の切り替えを行っています。
デッドセクション区間は電気が流れていないため、照明にはバッテリーを使う必要があります。そのため、683系特急電車は、デッドセクション区間内は片側の前照灯を消した状態で走行します。
デッドセクションに入る前には、黒色と黄色の予告標識があります。デッドセクションへの切り替え区間には、「交直セクション切替」の標識があります。デッドセクションへの架線切替区間では、一時的に架線が2本になります。デッドセクション側の架線には、電気が流れていません。デッドセクション内には、赤色と白色の標識があります。デッドセクションの通過中は惰行走行するため、デッドセクション内で停止すると電車は動けなくなってしまいます。デッドセクションの通過には30秒程度かかります。
デッドセクション通過中は、一時的に室内照明が消え、バッテリーの付いた非常用照明だけが点灯した状態で走行します。
特急電車では、昔の485系では室内照明が消えていましたが、最近の683系では室内照明が消えくなりました。ですから、特急「サンダーバード」、特急「しらさぎ」、特急「能登いさり火」に乗っていると、ほとんどの人は、デッドセクションには気が付きません。ちなみに、特急「花嫁のれん」はディーゼルカーですから、デッドセクションは関係ありません。