取立山は、福井県科k津山市にある、標高1310mの山です。
取立山の取立平は、日本におけるミズバショウの分布の西限です。
ちなみに、南限は、岐阜県郡上市のひるがの高原で、同じ両白山地にあります。
このWebページでは、2023年5月20日に取立山に登った時に見た花を紹介しています。
チゴユリ(稚児百合)は、イヌサフラン科チゴユリ属の多年草です。
稚児のように小さくて可愛いユリの花なので、チゴユリと呼ばれています。
イヌサフラン科はAPG分類でユリ科から分割された科で、長い地下茎を持つ特徴があります。
春には、6枚の細い花びらを持つ薄緑色の釣り鐘形の花が咲きます。
ホウチャクソウ(宝鐸草)も同じイヌサフラン科チゴユリ属の多年草ですが、長い筒形の花が咲きます。
サンカヨウ(山荷葉)は、メギ科サンカヨウ属の多年草です。 荷葉とはハスの葉のことで、山に咲くハスという意味です。 サンカヨウは、春に白い花が咲きます。晴れているときは白い花ですが、雨が降ると透明な花になる神秘的な花です。 サンカヨウの花には白色の色素はなく、花の細胞の隙間に入った光が乱反射して白く見えていますが、雨が降ると花の細胞の隙間に水が入り乱反射しなくなるため、透明になるようです。
アケビ(木通)は、アケビ科アケビ属の落葉樹で、茎はつるになって他の植物に絡みついて育ちます。
アケビの葉は5枚ですが、葉が3枚のミツバアケビ(三葉木通)もあります。
花は紫色で、雄花と雌花に分かれて咲きます。
雌花は3枚のがく片を持ち単独で咲きますが、雄花は花序の先端に多数集まって咲きます。
果実は甘く、食べられます。
エンレイソウ(延齢草)は、シュロソウ科エンレイソウ属の多年草です。 春に紫色の3枚のがく片を持つ小さな花が咲きます。
マムシグサ(蝮草)は、サトイモ科テンナンショウ属の多年草です。 茎のようなものの模様がマムシに似ていることからマムシグサと呼ばれています。 春に、紫色と緑色の縞模様の仏炎苞を持つ花が咲きます。
アジサイ(紫陽花)は、アジサイ科アジサイ属の落葉低木です。 まだ、つぼみの状態でした。
ネコノメソウ(猫の目草)は、ユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草です。 春に小さな黄色い花が咲き、花を取り囲む葉も黄色から黄緑色のグラデーションになります。
駐車場から1kmほど歩くと、大滝があります。
タネツケバナ(種漬花)は、アブラナ科タネツケバナ属の多年草です。 稲の種もみを水に漬ける頃に咲くことから、タネツケバナと呼ばれています。 春に、白くて小さい4枚花びらの花が咲きます。
クルマバソウ(車葉草)は、アカネ科ヤエムグラ属の多年草です。 葉が放射状に輪生していて車輪のように見えることから、クルマバソウと呼ばれています。 春に、白い小さな花が集まって咲きます。
サワハコベ(沢繁縷)は、ナデシコ科ハコベ属の多年草です。 春に、白い5枚花びらの花が咲きます。 花びらの先は、サクラの花のように切れ込みが入っています。
ツボスミレ(坪菫)は、、スミレ科スミレ属の多年草です。 ツボスミレの葉は、丸みを帯びたハート型をしています。 春に、白っぽく少し先の尖った花が咲きます。
トリガタハンショウヅル(鳥形半鐘蔓)は、キンポウゲ科センニンソウ属のつる性植物です。 春に、薄い黄色の花が咲きますが、同種のハンショウヅルは、紫色の花が咲きます。 下を向いて咲く花が、火の見櫓の上部に取り付けられている半鐘のようなので、ハンショウヅルと呼ばれています。 トリガタハンショウヅルのトリガタは、牧野富太郎が高知県の鳥形山で発見したことに由来しています。 鳥形山は、石灰石の露天掘りをしている鉱山として有名な山で、石灰石の採取により山の標高が200mも低くなってしまった山です。 鳥形山は鉱山のため立入禁止ですが、鳥形山森林植物公園の鳥形山展望台から、露天掘りで山頂が平らになった異様な光景を見ることができます。
ミツバツツジ(三葉躑躅)は、ツツジ科ツツジ属の落葉樹です。 3枚の葉が輪生しているため、ミツバツツジと呼ばれていますが、ミツバツツジ類の総称としても使われています。
ウリハダカエデ(瓜膚楓)は、ムクロジ科カエデ属の落葉樹です。 春には黄色い小さな花が集まり垂れ下がって咲きます。 実は種を飛ばすためにプロペラ状の形で、縦に連なって、ぶら下がります。
ハウチワカエデ(羽団扇楓)は、ムクロジ科カエデ属の落葉樹です。 春には、朝紫色の花が葉の下にぶら下がって咲きます。 残念ながら、花びらは散っていました。 実は種を飛ばすためにプロペラ状の形で、個々に、ぶら下がります。
ヒカゲノカズラ(日陰鬘)は、ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属のシダ植物です。 茎から細い葉が一面に生えているため、細長いブラシのような形状で、目立っていました。
イヌエンジュ(犬槐)は、マメ科イヌエンジュ属の落葉樹です。 春には、銀白色の毛が生えた若葉が出てくるため、人目を引きます。
ヤマウルシ(山漆)は、ウルシ科ウルシ属の落葉樹です。 輪島塗などの漆器の染料として使われますが、樹液に触れるとかぶれるため、注意が必要です。
ユズリハ(譲葉)は、ユズリハ科ユズリハ属の常緑樹です。 春に古い葉が落ちて新しい葉と入れ替わるため、親が子に代を譲るように、子孫繁栄の縁起の良い樹として知られています。 上を向いている黄緑色の葉が新しい葉で、下を向いている深緑色の葉が古い葉、真ん中の赤いのが花です。
ツクバネソウ(衝羽根草)は、シュロソウ科ツクバネソウ属の多年草です。 4枚の葉が輪生し、春には、その中心に黄緑色の花が咲きます。 花が衝羽根(羽根つきの羽根)のように見えることから、ツクバネソウと呼ばれています。
駐車場から、3kmほど歩くと、標高1264mのこつぶり山です。 頂上は広場になっていて、晴れていれば、白山が綺麗に見えるのですが、山は見えませんでした。
ガマズミ(莢蒾)は、ガマズミ科ガマズミ属の落葉樹です。 春には、小さな丸い5枚の花びらの花が集まって咲きます。 秋には、赤い実がなり、食べることができます。
オオカメノキ(大亀の木)は、ガマズミ科ガマズミ属の落葉樹です。 オオカメノキは、ガマズミの仲間ですが、葉が亀の甲羅のような形なので、オオカメノキと呼ばれています。 春には、小さな薄黄色の花の周りに、大きな白い5枚花びらの装飾花が取り囲んで咲きます。 ヤブデマリとも似ていますが、ヤブデマリの装飾花の花びらの1枚は非常に小さく、4枚花びらのように見えます。
タムシバは、モクレン科モクレン属の落葉樹です。 春に白い大きな6枚花びらの花が咲きます。
ミズバショウ(水芭蕉)は、サトイモ科ミズバショウ属の多年草です。 春に白い大きな仏炎苞を持つ花が咲きます。
ミツバノバイカオウレン(三葉の梅花黄蓮)は、キンポウゲ科オウレン属の常緑多年草です。 NHKの朝ドラ「らんまん」のオープニングに出てくるバイカオウレンは、5枚花びらで5枚葉ですが、同じ種類の花です。 ミツバノバイカオウレンは、3枚葉で、早春に、白い梅の花のような花びらが5枚の花が咲きます。 花の時期よりも少し遅かったため、花びらが3枚しか残っていない花しか見れませんでしたが、花が見れて良かったです。 近くでもバイカオウレンを見つけましたが、花は終わって実が付いた状態でした。
カタバミ(酢漿草)は、カタバミ科カタバミ属の多年草です。 春には、白色やピンク色の5枚花びらの花が咲きます。 カタバミの花は、夜や雨の時は閉じていて、晴れていると開きます。 葉は、3つのハートを合わせたような複葉です。
ユキザサ(雪笹)は、クサスギカズラ科マイヅルソウ属の多年草です。 APG分類体系以前のエングラー体系では、ユリ科ユキザサ属に分類されていました。 春には、笹の葉に似た葉の先端に、雪のような白い花が咲きます。
クロモジ(黒文字)は、クスノキ科の落葉樹です。 クロモジは、高級爪楊枝の材料にもなっています。 春には、小さな黄緑色の花が、小枝の節から多数ぶら下がって咲きます。
ミヤマシキミ(深山樒)は、ミカン科ミヤマシキミ属の常緑樹です。 春には、白い小さな花が葉の中心に集まって咲きます。
アオキ(青木)は、アオキ科アオキ属の常緑です。 APG分類体系以前のエングラー体系では、ミズキ科に分類されていました。 春には、小さい紫色の4枚花びらの花が咲き、赤い果実になります。
マイヅルソウ(舞鶴草)は、キジカクシ科マイヅルソウ属の多年草です。 APG分類体系以前のエングラー体系では、ユリ科に分類されていました。 春には、小さな白い花が咲きます。 葉は互生で、形はハート型をしています。 葉の葉脈の形が、鶴が舞う形に似ていることから、マイヅルソウと呼ばれるようになったという説と、白い小さな花が鶴が舞うようなので、マイヅルソウと呼ばれるようになったという説があるようです。
こつぶり山から1km弱歩くと、標高1310mの取立山に到着します。 取立山の三角点は、頂上から少し低い位置にあります。
イワウチワ(岩団扇)は、イワウメ科イワウチワ属の多年草です。
春に、ピンク色のうちわのような形の花が咲きます。
花はロート状で、花の先が細かく裂けていて、5つに分かれています。
似ている花として、イワカガミがありますが、イワカガミの方が裂け方が大きいです。
アオダモ(青梻)は、モクセイ科トネリコ属の落葉樹です。 春には、白くて細い花が多数咲きます。
ナナカマド(七竈)は、バラ科ナナカマド属の落葉樹です。 春には小さな白い花が集まって咲き、秋には紅葉し、赤い実を付けます。
ウワミズザクラ(上溝桜)は、バラ科ウワミズザクラ属の落葉樹です。 バラ科で桜の仲間ですが、他の桜とは違って、白い小さな花が集まって咲きます。
ミツバツチグリ(三葉土栗)は、バラ科キジムシロ属の多年草です。 春には、黄色い5枚花びらの花が咲きます。 葉は3枚の小葉からなり、
ムラサキサギゴケ(紫鷺苔)は、ハエドクソウ科サギゴケ属の多年草です。 春に紫色の花が咲きます。 花の形は、サギのようにも見えますが、花の色は紫色ですし、サギソウの方が、サギっぽいです。