竹内街道めぐり

竹内街道

　竹内街道は、日本最古の国道（官道）で、横大路とともに日本遺産に指定されています。日本遺産では、1400年に渡る悠久の歴史を伝える「最古の国道」～竹内街道・横大路（大道）～として登録されています。日本書紀に「難波より京（明日香）に至る大道を置く」と記述されているルートの大部分と、竹内街道が一致することから「日本最古の国道」といわれています。
　今回は、竹内街道を堺市の大小路から、葛城市の長尾神社まで走ってみました。走行距離は、約26kmになります。

竹内街道マップ

大小路

　竹内街道は、阪堺電軌阪堺線の大小路駅のある紀州街道の大小路交差点が起点となります。西高野街道の起点も同じ場所で、約2kmぐらい重複区間となります。大小路交差点から南海高野線堺東駅までは、大小路筋と呼ばれています。大小路筋には、堺市役所、堺合同庁舎、堺郵便局など、堺の中心的な建物が並んでいます。

紀州街道

竹内街道起点案内板

西高野街道起点案内板

大小路筋

大小路橋

南海高野線堺東駅

西高野街道分岐

　南海高野線は、西高野街道に沿って、紀見峠と越えて高野山まで続く鉄道です。南海高野線の踏切を越えて、少し行くと、西高野街道との分岐があります。西高野街道との分岐の50mほど手前では、熊野街道とも合流し、3街道の重複区間になりますが、熊野街道の案内板はありません。西高野街道の先には、大仙陵古墳（仁徳天皇陵古墳）の森が見えます。

南海高野線踏切と堺東駅

南海高野線踏切と竹内街道

西高野街道分岐

　西高野街道分岐を少し行くと、左手に旧向泉寺閼伽井跡があります。聖武天皇が高僧行基に造らせた大寺院があったらしいです。

旧向泉寺閼伽井跡

三国ヶ丘

　しばらくすると、大阪府道2号大阪中央環状線として整備された区間になります。大阪中央環状線は、大仙陵古墳（仁徳天皇陵古墳）の横を通っているので、大仙陵古墳（仁徳天皇陵古墳）の森が見えます。大阪中央環状線となった区間では、JR阪和線の上を通ります。線路の南側には、三国ヶ丘駅が見えます。

大阪中央環状線

三国ヶ丘駅

大阪中央環状線との分岐にある緑の一里塚

　堺市黒土町には、黒土西地蔵尊があります。

黒土西地蔵尊

堺市黒土町の竹内街道

金岡神社

　金岡神社は、平安時代の絵師である巨勢金岡を祀る神社です。金岡神社境内には、樹齢900年ほどの大楠があります。金岡神社付近で、難波から南にのびている難波大道と分岐していたらしいです。

金岡神社参道の竹内街道

金岡神社と大楠

金岡神社横の竹内街道

金岡神社前の表柱

　大阪中央環状線は竹内街道に沿って整備されているので、大泉緑地公園前で再び大阪中央環状線を横切ります。

大泉緑地前の大阪中央環状線

大泉緑地

　堺市立八下中学校の向側に大池開削の碑があります。大池の上には、堺市中央綜合卸売市場（まぐろパーク）が建てられています。

大池開削の碑

大池と堺市中央綜合卸売市場（まぐろパーク）

松原市

　竹内街道は、大阪中央環状線と国道309号線が交差する丹南交差点のすぐ北で国道309号線と交差します。国道309号線は、富田林市から天川村を通って熊野市まで続いている国道です。

国道309号線と丹南交差点

　松原市岡には、大師堂があります。大師堂を過ぎると、竹内街道と中高野街道との交差点があり、道標が建てられています。

松原市岡付近の竹内街道

大師堂と竹内街道

竹内街道と中高野街道との交差点

　美原ロータリーで、大阪中央環状線は北上します。高架の上は、阪和自動車道(E26)です。美原からは、南阪奈道路(E91)が竹内峠を越えて奈良に向かっています。

大阪中央環状線美原ロータリー

野中寺

　野中寺（やちゅうじ）が見える交差点に、木製の常夜燈があります。

常夜燈と竹内街道

常夜燈と野中寺

大阪外環状線

　羽曳野市に入ると、大阪外環状線の国道170号線を横切ります。

大阪外環状線の国道170号線

大和武尊白鳥陵古墳

　羽曳野市には、世界遺産に登録されている百舌鳥古市古墳群の古墳群が見られます。竹内街道は、大和武尊の陵墓とされている白鳥陵古墳の脇を通っています。

大和武尊白鳥陵古墳

大和武尊白鳥陵古墳の脇を通る竹内街道

大和武尊白鳥陵古墳に向かう竹内街道

古市

　古市は、近鉄南大阪線と近鉄長野線の乗換駅です。近鉄南大阪線は、竹内街道や横街道と同じく、太子町から大和高田市を通って、橿原神宮に続いています。近鉄長野線は、東高野街道に沿って、河内長野に続いています。
　古市駅の横に、日本武尊と素戔鳴命（すさのおのみこと）を祀る白鳥神社があります。
　古市は、竹内街道と東高野街道が交差するため、交通の要所として栄えた街で、交差点には道標が残っています。

近鉄古市駅

近鉄南大阪線と近鉄長野線

白鳥神社

竹内街道と東高野街道の道標

古市の石柱

　古市の町を過ぎると、石川の臥龍橋を渡ります。古市からは、竹内街道は国道166号線として整備されています。石川の臥龍橋からは、二上山の頂上付近が見えます。

石川の臥龍橋と二上山

近鉄南大阪線石川橋梁

石川の臥龍橋と生駒山系

石川の臥龍橋と古市古墳群

川向の道標

駒ヶ谷

　羽曳野市駒ヶ谷には、チョーヤ梅酒の本社があり、向かいの飛鳥川沿いには緑の一里塚が設置されています。
　羽曳野市駒ヶ谷は、竹内街道に沿って古くから栄えた街で、今でも古い町並みが残っています。また、集落内にある杜本神社は、名神大社として記載されており、とても格式の高い神社です。
　伊勢灯籠は、伊勢神宮へ参拝する人々の道中安全のための常夜燈として造られました。竹内街道は、江戸時代以降は伊勢本街道の一部としても使われたため、街道沿いには伊勢灯籠が多数見られます。役行者錫杖水には、役行者（えんのぎょうじゃ）が錫杖で掘り当てたと言われる水があります。

竹内街道と近鉄南大阪線

羽曳野市駒ヶ谷の緑の一里塚

飛鳥川と羽曳野市駒ヶ谷の町並み

羽曳野市駒ヶ谷の町並み

杜本神社

飛鳥川の月読橋と伊勢灯籠

役行者錫杖水

　近鉄南大阪線上ノ太子駅がある羽曳野市飛鳥にも古い町並みが残っています。近鉄南大阪線の踏切を渡ると、南阪奈道路の高架下を通ります。

羽曳野市飛鳥の町並み

竹内街道と近鉄南大阪線上ノ太子駅

竹内街道と南阪奈道路

太子町春日

　太子町春日には、蘇我馬子が創建したと言われる妙見寺があります。

竹内街道と国道166号線の分岐

太子町春日の妙見寺

太子町春日の緑の一里塚

太子町春日の町並み

聖徳太子御廟への分岐

太子町山田

　太子町山田にも古い町並みが残っています。

竹内街道と飛鳥川

太子町山田の町並み

大道旧山本家住宅

　竹内街道沿いに、国の登録文化財にもなっている大道旧山本家住宅があります。

大道旧山本家住宅

大道旧山本家住宅主屋

大道旧山本家住宅蔵

大道旧山本家住宅離れ

大道旧山本家住宅土間

孝徳天皇陵

太子町山田の町並み

　太子町山田には、竹内街道歴史資料館があります。竹内街道の歴史に関する解説などが見れます。その解説によれば、二上山ではサヌカイトと呼ばれる石が採れたので、石器時代から多くの人が訪れていました。サヌカイトは、割ると刃物のようになるため、石鏃（やじり）の材料として重宝されていたようです。このような背景もあり、難波津から飛鳥京を結ぶ最初の国道（官道）として、竹内街道が選ばれたようです。