山の花

医王山の花

 サンカヨウ(山荷葉)は、メギ科サンカヨウ属の多年草です。 荷葉とはハスの葉のことで、山に咲くハスという意味です。 サンカヨウは、春に白い花が咲きます。晴れているときは白い花ですが、雨が降ると透明な花になる神秘的な花です。 サンカヨウの花には白色の色素はなく、花の細胞の隙間に入った光が乱反射して白く見えていますが、雨が降ると花の細胞の隙間に水が入り乱反射しなくなるため、透明になるようです。

サンカヨウ
サンカヨウ
雨のサンカヨウ
雨のサンカヨウ

 エンレイソウ(延齢草)は、シュロソウ科エンレイソウ属の多年草です。 春に3枚のがく片を持つ小さな花が咲きます。

エンレイソウ

 マムシグサ(蝮草)は、サトイモ科テンナンショウ属の多年草です。 春に、紫色と緑色の縞模様の仏炎苞を持つ花が咲きます。

マムシグサ

 チゴユリ(稚児百合)は、イヌサフラン科チゴユリ属の多年草です。 イヌサフラン科はAPG分類でユリ科から分割された科で、長い地下茎を持つ特徴があります。 春には、6枚の細い花びらを持つ薄緑色の釣り鐘形の花が咲きます。
 ホウチャクソウ(宝鐸草)も同じイヌサフラン科チゴユリ属の多年草ですが、長い筒形の花が咲きます。

チゴユリ
チゴユリ
ホウチャクソウ

 シャク(杓)は、セリ科シャク属の多年草です。 春には、白い小さな花が傘状に咲きます。

シャク
シャク
シャク

 シャガ(射干)は、アヤメ科アヤメ属の多年草です。 春に白いアヤメのような花が咲きます。

シャガ

 スミレ(菫)は、、スミレ科スミレ属の多年草です。 スミレは、スミレ科スミレ属の総称としても使われます。 タチツボスミレ(立坪菫)は、スミレと似た花ですが、歯が丸みを帯びたハート型をしています。 ツボスミレ(坪菫)は、タチツボスミレと似た葉ですが、白っぽい先の尖った花が咲きます。

スミレ
タチツボスミレ
ツボスミレ

 タニウツギ(谷空木)は、スイカズラ科タニウツギ属の落葉樹で、春にピンク色の花が咲きます。
 タニウツギに似た花として、ハコネウツギがありますが、ハコネウツギは、白色の花と紅色の花が混じっています。

タニウツギ
タニウツギ

 ハコネウツギ(箱根空木)は、スイカズラ科タニウツギ属の落葉樹です。 春に、白色の花と紅色の花が混じって咲きます。 ハコネウツギの花は、咲き始めは白色で、受粉が終わると少しずつ紅色に変化していきます。蜂は赤色を認識できず、白い花に集まるため、効率よく受粉するためだと言われています。人間は赤外線を認識できませんが、フクロウは赤外線を認識できますので、蜂が赤色を認識できなくても不思議ではありません。
 あと、ハコネウツギの花は箱型をしています。花びらの付け根付近が四角くなっているのが面白いです。
 ハコネウツギに似た花として、ニシキウツギ(二色空木)がありますが、ニシキウツギの花の根元は、箱型ではなく、ロート状になっています。 ニシキウツギは、太平洋側に分布するため、日本海側では見られません。

ハコネウツギ
ハコネウツギ

 フジ(藤)は、マメ科フジ属の落葉樹です。春に紫色の花が咲きます。

フジ

 キリ(桐)は、キリ科キリ属の落葉樹です。春に紫色の花が咲きます。
 フジもキリも紫色の花ですが、フジの花は下に垂れ下がっていますが、キリの花は上に向いて咲くので区別しやすいです。

キリ
キリ

 ミズキ(水木)は、ミズキ科ミズキ属の落葉樹です。 春に小さな白い花が集まって咲きます。

ミズキ
ミズキ

 ヤマボウシ(山法師)は、ミズキ科ヤマボウシ属の落葉樹です。 春に白い大きな総苞片(花のつけ根の葉)を持つ花が咲きます。 雄しべのように中心に集まっているのが花になります。
 ヤマボウシに似た花に、ハナミズキがありますが、ヤマボウシの総苞片はとがっていますが、ハナミズキの総苞片は丸みを帯びています。

ヤマボウシ
ヤマボウシ

 アケビ(木通)は、アケビ科アケビ属の落葉樹で、茎はつるになって他の植物に絡みついて育ちます。 アケビの葉は5枚ですが、葉が3枚のミツバアケビ(三葉木通)もあります。 花は紫色で、雄花と雌花に分かれて咲きます。 雌花は3枚のがく片を持ち単独で咲きますが、雄花は花序の先端に多数集まって咲きます。 果実は甘く、食べられます。

ミツバアケビ
ミツバアケビの雌花
ミツバアケビの雄花
アケビの実

 ヤブデマリ(藪手毬)は、ガマズミ科ガマズミ属の落葉樹です。 春には、白い花が円形状に咲きます。
 ヤブデマリと似た花に、アジサイ科アジサイ属のガクアジサイがありますが、科が違いますし花の構造も違います。 ヤブデマリは、花弁の基部がくっついていて、深い切れ込みのある合弁花ですが、ガクアジサイは、4枚のガクに分かれています。
 NHKの朝ドラ「らんまん」で、牧野万太郎が博物館に行ったときに、ヤブデマリをアジサイの仲間と勘違いするシーンがありました。

ヤブデマリ

 ホオノキ(朴木)は、モクレン科モクレン属の落葉樹です。 春には、白い大きな花が咲き、大きな葉が特徴です。

ホオノキ
ホオノキ

 キブシ(木五倍子)は、キブシ科キブシ属の雌雄異株の落葉樹です。 春には、黄色い花が垂れ下がって咲きます。 キブシの実からはタンニンが取れるので、黒色の染料としても使われていたようです。

キブシ
キブシ

 ナナカマド(七竈)は、バラ科ナナカマド属の落葉樹です。 春には小さな白い花が集まって咲き、秋には紅葉し、赤い実を付けます。

ナナカマド
ナナカマド

 ウリハダカエデ(瓜膚楓)は、ムクロジ科カエデ属の落葉樹です。 春には黄色い小さな花が集まり垂れ下がって咲きます。

ウリハダカエデ

 ヤマザクラ(山桜)は、バラ科サクラ属の落葉樹です。 春には、5枚花びらのピンク色の花が咲きます。 ヤマザクラは。花と新葉が同時に出てきます。

ヤマザクラ

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